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東北大学で学ぶ高度教養シリーズ

男と女の文化史

 

東北大学で学ぶ高度教養シリーズ第二弾
「男と女の文化史」

文学研究科
高橋章則 教授
嶋﨑 啓 教授
芳賀京子 教授
横溝 博 准教授

開講日:2018年5月23日(水)
募集開始日:2018年3月1日(木)

― 概 要 ―

大きな世界のありようの中で自分を位置づける思考のことを「世界観」と言いますが,2011年3月の「東日本大震災」はそうした「世界観」が一変するような「出来事」だったように思います。
特に,震災後の「原子力」の暴発の事態は,自分の人生だけではなく,家族や社会,ひいては,いま住んでいるこの国の将来や未来に切実な不安を覚えさせる契機となりました。そして,何よりも,これまで何気なく送って来た日常を支えていた「もの」や「考え 方」が,実は,安定的でも持続的でもない,と皆が考えるようになったのではないでしょうか。震災以来,世の中に氾濫する「想定外」という言葉などは,そうした従来の価値観が不安定であったことをまるで証明しているようでもあります。
さて,こうした「世界観」が揺らいでいる現在を乗り越えてゆくために必要なものは何でしょうか。
いろいろな答えがあると思いますが,もう一度,われわれを取り巻く「ものごと」の成り立ちや構造を,偏見を持つことなく,原点に立ち返って考えてみること,そして,そうした反省行為を支える確かな材料や情報を入手することが不可欠だと思います。
『男と女の文化史』という今回の講座は,人間社会を構成する「男」と「女」への検討を通じて,人 間とは何か,社会とは何か,歴史とは何か,つまり冒頭に触れた「世界観」を再構築する際の確かな「材料」の提供を意図したものです。
文学・美術・歴史と分野は限定されていますが,皆さんの「世界観」構築の際の参考になれば幸いです。
第一週は,『源氏物語』はいつ,どのようにして書かれたのか,また,『源氏物語』はどのようにして読まれてきたのか,を明らかにします。『源氏物語』本編のほかに,国宝『源氏物語絵巻』,そして『源氏物語』の注釈書や系図といった資料に目を向けていくことで,「いまは失われてしまった」『源氏物語』の世界の復元を試みます。そして『源氏物語』の男と女について,読者がどのような関心をもっていたのかを解明します。
第二週の講義は ,江戸時代の「遊女」という,逆境に生き,受け身な人生を送ったと思われがちな女性が,「狂歌」という「文芸」を「日常」生活の中に取り入れ,自己を「表現する」能動的な女性であったことに焦点を当てます。そのことを通じて,「文芸社会史」という歴史研究の方法の魅力,さらには女性の生き方への焦点のあて方について論じます。
第三週のテーマは,「男を滅ぼす女」です。近代ヨーロッパにおいては,「運命の女」と言われる「悪女」がよく描かれ,ドイツ文学においても,様々な「男を滅ぼす女」が描かれました。そうした「男を滅ぼす女」の源流ともいうべきライン川にまつわる「ローレライ」と「クリエムヒルト」という二人の女性を取り上げ,なぜ文学で「男を滅ぼす女」が描かれる のか,という問題について考えます。
第四週は,時間を一気に巻き戻して,古代ギリシアの話です。「民主主義の源流」として名高い古代ギリシアですが,「男・女」は平等ではなく,「女たち」はほとんどの時間を自宅のプライベートな空間で過ごし,男性とは異なった人生を送っていました。古代ギリシアの「男と女の実相」を,当時の美術とともに見てゆきます。
全四週の講義は,それぞれにスリリングな知的な視点・技術で探究し,従来にない「男と女のドラマ」の再現を目指しました。そのドラマがリアルによみがえってくるかどうか,厳しい目でご鑑賞ください。

 

 

 

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