東北大学サイエンスシリーズ

2022年12月26日閉講

東北大学サイエンスシリーズ第3弾
「銀河考古学入門~銀河の形成と進化を辿る~」

講師
[理学研究科] 千葉柾司 教授

開講日:2023年11月8日(水)
募集開始日:2023年8月9日(水)

受講登録は終了しました

講座概要

「銀河考古学」とは、銀河をその骨格である恒星に分離し、個々の恒星の性質に基づいて銀河の形成進化を追跡する天文学の一分野です。「考古学」と名づけられている理由は、古い年齢の恒星の性質、すなわちその化学組成や空間運動の特徴 といった情報が、銀河の過去を知るための「化石」情報になっていて、銀河がどのような物理状態で形成されどのような進化を経てきたのかの履歴を保持しているからです。つまり、これらの情報はDNAのようなもので、銀河の過去を追跡するルーツとなるものです。この講座では、銀河考古学の基礎をわかりやすく解説します。
第1週は、人類の銀河宇宙に関する世界観が如何に発展してきたかを学びます。その上で、銀河系の全体の動力学構造とそれを囲む銀河宇宙の世界を概観します。
第2週は、銀河を構成する星の一般的な特徴とその進化と死について学びます。また、星は新しい物質の工場であり、その物質循環と銀河の進化との関係を理解します。
第3週は、銀河系の古い恒星系の分析から導かれる、銀河系の形成と進化に関する現在の描像を学びます。さらに、アンドロメダ銀河や一般銀河の観測情報に基づいて、銀河形成の一般的な考え方を理解します。
第4週は、このような銀河の動力学構造を支配するダークマターについて、その存在証拠や銀河形成に対する役割について学びます。そして、ダークマターの正体に関する現在の標準理論の問題と今後の展望について学びます。

※本講座は、2019年7月開講の第1回、2020年1月開講の第2回、2021年1月開講の第3回、2021年11月開講の第4回及び2022年11月開講の5回目と同じ内容となり、課題の一部を変更しております。

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