東北大学サイエンスシリーズ

2023年8月15日閉講

東北大学サイエンスシリーズ第4弾
「進化発生学入門ー恐竜が鳥に進化した仕組みー」

講師
[生命科学研究科] 田村宏治 教授

開講日:2023年6月28日(水)
募集開始日:2023年5月10日(水)

受講登録は終了しました

講座概要

「鳥は恐竜から進化した」、、、あのダーウィンも主張した「鳥は恐竜から進化した」という学説は、150年以上も議論され続け、羽毛を持つ恐竜の発見によって、確実視されるようになっています。とは言っても、そもそも、恐竜が鳥に進化するというのは、具体的にどう考えればよいでしょうか。ポケモンやゴジラのように、成長していく過程で、姿が徐々に別の動物に変化していく、そういうわけではありません。
鳥は、卵の殻の中で、1個だった受精卵という細胞からはじまって、生まれてきます。恐竜も同じように、1個の受精卵から生まれてきていたはずです。なので、恐竜が鳥に進化するというのは、恐竜を作っていた発生過程が変化した、鳥を作る発生過程を持つ動物が生まれたことになります。本当にそんなことは起こり得るのか?本講座では、動物の進化のしくみを、動物の発生過程に求める「進化発生学」の観点から、恐竜が鳥に進化したしくみを考えるための基礎を、学んでいきます。
第1週目は発生学の基礎を学びます。すべての動物が細胞でできていること、発生すること、そして、細胞が分化することを説明します。
第2週目は発生におけるタンパク質と遺伝子の重要性と、遺伝を介した動物同士のつながりについて、学びます。また、ゲノムやDNA、遺伝子発現という言葉についても学びます。
第3週目は手足の発生過程、とくに、指がどうやって作られるかについて、お話しします。さらに、発生のしくみを変化させることで、動物形態の違いを生み出す原理について、解説します。
第4週目は恐竜と鳥の関係と進化について、解説します。鳥を鳥らしくする、鳥エンハンサー配列は、恐竜から鳥への進化の過程でゲノムに備わったものです。鳥エンハンサーとは何か、それまでに学んだ内容を集結して、理解していくことになります。

※本講座は、2020年1月開講の第1回、2020年11月開講の第2回、2021年8月開講の第3回及び2022年6月開講の第4回と同じ内容となり、課題の一部を変更しております。

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